IoT
IoT(アイオーティー)とは、「Internet of Things(モノのインターネット)」の略称で、コンピュータなどの情報通信機器だけでなく、世の中に存在するあらゆる物体(モノ)に通信機能を備えて、インターネット接続や相互通信を行わせることにより、遠隔操作やデータ収集を行う仕組みです。
1999年、イギリスの技術者で、商品や荷物に付ける無線タグの標準化団体「Auto-ID」の創設者の一人であるケビン・アシュトン氏が初めて提唱したと言われています。
日本のビジネス業界では、2016年頃からメディアで使われることが多くなりました。IoTは「(IoTで)収集したビッグデータを、AI(人工知能)が分析して活用する」のように、AIとともに語られることが多いです。2016年に「AlphaGo(コンピュータ囲碁プログラム)」でAIが世間に注目され始めたことから、同時期に良く使われるようになったと考えられます。
IoTの主な実用例
IoTは、大きく分けて2通りの用途で実用化が始まっています。
- 遠隔操作
「外出先からスマートフォンを介して、帰宅予定時間にエアコンや照明を付ける」といった技術が既に実用化されています。これまでインターネットとは無縁だった家電(モノ)に、通信機器を付けることで実現しているため、分かりやすいIoTの実用例だと言えます。「専用リモコンで電源を付ける」といった遠隔操作のテクノロジーは昔からありますが、IoTのポイントは「インターネット」を利用することです。上述の例だと「スマートフォンを介して」の部分でインターネットを利用しています。
- 遠隔監視
「玄関のドアを閉めずに外出すると、スマートフォンに通知が来る」といった技術が身近な実用例です。インターネットを介して、ドア(モノ)の開閉状態が確認できる(監視できる)ことにより実現しています。モノの状態(上述の例だと、ドアの開閉状態)は、センサー機器によって検知されます。IoTの技術がセンサー機器と一緒に語られることが多いのはこのためです。
上記以外の用途として、IoTは「AIを活用するためのデータ収集」技術として期待されています。例えば、工場設備の動作(Ex. 振動、傾斜、動作音)をセンサーで検知し、そのデータをインターネットを介してデータベースに収集し、異常停止の履歴データと組合わせてAIに学習させることにより「設備に異常や故障が発生する前に知らせる仕組み」を構築するなど、実現に向けた実証実験が多くの企業で始まっています。
IoTの普及・活用に向けた課題
IoTの普及・活用に向けた課題は、データを収集する「センサー機器」と、データを活用する「AI」の2要素の課題が良く議論されています。
- センサー機器の課題
電力供給が主な課題です。元々、電力供給があるモノ(Ex.家電)にセンサー機器を付けるのは容易ですが、生体や服飾品など、電力供給が無いモノのデータを収集したい場合、「省電力で電池が持つこと」「小型であること」など、様々な制約条件が発生します。 - AIの課題
収集した膨大なデータの分析スキル不足が課題です。どのようにデータを整理して蓄積するか、蓄積したデータをどのように学習させるかなど、AIを活用するためのアプローチを検討できる人材がまだまだ少ないのが現状です。少しずつですが、機械学習エンジニアやデータサイエンティストといった職種が注目されています。
上記以外にも「デジタル化遅れ」の課題があります。
IoTで収集される情報と、既存の企業資産情報を組合わせて分析やAI学習をすすめるには、コンピュータで処理する都合上、双方の情報がデータ化(デジタル化)されている必要があります。IoTの収集情報はデータ化されているので問題視されませんが、企業資産情報が紙(アナログ情報)で管理されていることで、分析や学習が進まないといったケースが良くあります。IoTの普及や活用を促進するには、あらゆる企業情報のデジタル化から始めることが重要となります。
参考文献
- モノワイヤレス株式会社.「IoTとは?|IoT:Internet of Things(モノのインターネット)の意味」,2017(参照 2020-06-29)
- ビジネスインテグレーション情報局.「IoTの歴史的背景はご存知ですか?実は1999年には存在していた?」,2017(参照 2020-06-29)