ソフトクリーム総合メーカーのナレッジ活用事例
日世株式会社
2013年から同社が販売しているプレミアム生クリームソフト「CREMIA(クレミア)」は、高価格でありながら発売当初から売上倍増の店舗が相次ぐ大ヒット商品だ。全国各地のサービスエリアやカフェで販売されているため、ご存じの方も多いだろう。子どものものというソフトクリームのイメージを一変し、多くのスイーツファンを虜にしている。
今回、同社ソフトクリームミックス製造の基幹工場であるびわ湖工場に訪問し、新商品のアイデア抽出から、商品配合の検討、ユーザーへのプレゼンテーション、乳化物の物性等に関する基礎研究までを基本業務とする、プレスト生産部 研究開発課の柴田 聡氏にインタビューを行い、Knowledge Explorer導入の狙いや今後の期待について話を伺った。
お客様の企業プロフィール
- 会社名
- 日世株式会社
- 本社
- 大阪府茨木市宇野辺1-1-47
- 工場
- びわ湖工場:滋賀県犬上郡多賀町大字四手字諏訪510-7
- 設立
- 1947年5月20日
- 社員数
- 803名
- 事業内容
ソフトクリームの関連資材(コーンカップ・ミックス・機械類)の製造販売、乳製品(ホイップクリーム)の製造販売、フルーツプレパレーション(フルーツ調整品)の製造販売、小型万能全自動充填機のレンタル、包装資材の仕入販売
お話を伺った方
-
プレスト生産部 研究開発課 係長
柴田 聡 様
2022年04月22日
採用いただいたソリューション

AI実装フルオート型
ナレッジ活用ソリューション
事業拡大の中で感じた、個人の知識と経験の「限界」
同社プレスト生産部 研究開発課 係長の柴田氏は、2018年から2年間、同社の中国拠点へ赴任して現地のR&D部門立ち上げに携わった。技術コーチングなどを通じて、柴田氏は後進の育成に関して次のような課題を感じたという。
「中国で事業を拡大していこうと思うと、日本国内での多くの知識や経験を現地に伝えていくことが必要だなと感じました。今後、自分より社歴の浅い人間が後任となった時、その個人の経験と知識だけで今まで以上の結果を生み出すことは難しいと思い、先人の知識や経験を残して、必要な人にうまく届くようなシステムが必要だと感じました」(柴田氏)
2020年10月、柴田氏が所属する研究開発課にてKnowledge Explorerの評価を行い、翌年1月に正式な導入が決定した。評価から導入まで、柴田氏は「何のために導入するのか理解してもらうため、情報がデジタル化されていて役に立ったという自身の些細な経験を交えて説明しました。また、このような経験を皆が享受できるように、(情報をデジタル化して)サーバー上の価値を高めていきましょう、Knowledge Explorerでそれを共有しましょう、という提案をしました」と、社内メンバーをどのように説得したか教えてくれた。
入社3年目のメンバーに通知された、10年以上前の貴重な参考資料
「例えば、イチゴに関わる新商品の企画書を作成している際、様々な品種の調査レポートや、飲食店のイチゴを使ったデザートの食レポなど、関連する情報がずらっと一覧表示されます。システム導入前は、このような情報が存在するのに探すシステムがなく、結果として利用できていなかったのですごく助かっています」(柴田氏)
また、Knowledge Explorer最大の特長であるプッシュ通知機能も役に立っているという。実際に入社3年目のメンバーから「配合や原料の取り扱いに関してまとめられた10年以上前の資料が通知されて参考になった。システムがなければ資料の存在に気づくことは無かったので助かった」という報告があったと柴田氏は教えてくれた。
目下の課題は、柴田氏いわく「データ化できていない紙の資料が膨大にある」ことだという。これらのOCR化が進めば、Knowledge Explorerによる恩恵がより多く享受できる環境になることは間違いないだろう。
すべての開発データをつなげて、人材育成や開発スピードの向上実現へ
「ゆくゆくは、各事業部門の開発データをKnowledge Explorerにつなげて、横断的に参照できるようにしたいなと考えています。他部門の情報が参照できるようになれば、当初の導入目的であった人材育成や、開発スピードの向上にもつながると信じています」(柴田氏)
最後に、Knowledge Explorerに対する今後の期待として、柴田氏から次のようなコメントをいただいた。
「ドキュメントに付与できるタグを活用していきたいと思っています。現状、タグによる検索方法が少し手間なので、SNSみたいにハッシュタグ(#)を付けて簡単に検索できるようになると嬉しいです。また、OneNoteを開発課内で利用しており、結構情報が溜まってきています。この情報を上手く検索できるようになるとありがたいです」(柴田氏)