技術ノウハウや情報が個人持ちになりがちな業務特性
2020年11月、ライト工業は社内にDX推進委員会を立ち上げ、業務改善やビジネス変革を目指す全社的な取り組みを開始した。その中で、現状の業務課題に関する社内アンケートを実施したところ、全体の3割を超える社員が「技術ノウハウの伝承」や「情報共有化」が課題であると回答したという。
「私たちが手掛ける特殊土木工事は、工事に携わる時間が(他の建設事業会社と比較して)短く、1つの現場に対応する社員も少人数であることが多いです。そうすると、現場で培った技術やノウハウ、知り得た情報が個人持ちになりがちです」と、同社にてDX推進委員を務める関東支社 技術営業部 担当部長の茶圓氏は、課題が生まれる背景を教えてくれた。
「私たちが手掛ける特殊土木工事は、工事に携わる時間が(他の建設事業会社と比較して)短く、1つの現場に対応する社員も少人数であることが多いです。そうすると、現場で培った技術やノウハウ、知り得た情報が個人持ちになりがちです」と、同社にてDX推進委員を務める関東支社 技術営業部 担当部長の茶圓氏は、課題が生まれる背景を教えてくれた。
関東支社 技術営業部 担当部長 茶圓 八十志 氏
社内アンケートの結果を受けて、茶圓氏は2021年4月よりソリューションの情報収集を本格的に開始した。図研プリサイトを含む3~4社にウェブから資料請求を行い、オンラインセミナーの受講などで各ソリューションの比較検討を進めた。その後、ワーキンググループでの報告や社内上申を経て、同年9月にKnowledge Explorer の導入を決定した。
当社製品を選んだ理由について、茶圓氏は「エクセル、ワード、パワーポイントから検索を開始できることが大きな理由です。新しいシステムを導入すると、どうしても現場に受け入れてもらうのに苦労します。Knowledge Explorerは、日々利用しているアプリケーションから実行できるので、現場に抵抗感なく受け入れてもらえると感じました」と教えてくれた。
当社製品を選んだ理由について、茶圓氏は「エクセル、ワード、パワーポイントから検索を開始できることが大きな理由です。新しいシステムを導入すると、どうしても現場に受け入れてもらうのに苦労します。Knowledge Explorerは、日々利用しているアプリケーションから実行できるので、現場に抵抗感なく受け入れてもらえると感じました」と教えてくれた。
システム構築と社内プレゼンで、全社展開のボトルネックを解消!
同社は、「新入社員から社長まで、全社員が情報検索できる環境の実現」を主眼に置いてKnowledge Explorerを導入したのだが、それを阻むボトルネックがあった。情報セキュリティの都合上、アクセスできるサーバーやフォルダの権限が厳密に設定されていることだ。
薬液注入工事のグラウト材など、新しい材料の研究開発を担当している開発本部 R&Dセンター 材料開発部の池田氏は、ボトルネックによって不便に感じた出来事を次のように教えてくれた。
「以前所属していた材料試験室(開発本部内の異なる部署)のデータが異動後に閲覧できなくなりました。材料開発部でも必要となる情報が載っており、且つ、開発本部内で共有することに問題のないデータだったので、アクセスできる方にお願いして何とか入手することができました」(池田氏)
薬液注入工事のグラウト材など、新しい材料の研究開発を担当している開発本部 R&Dセンター 材料開発部の池田氏は、ボトルネックによって不便に感じた出来事を次のように教えてくれた。
「以前所属していた材料試験室(開発本部内の異なる部署)のデータが異動後に閲覧できなくなりました。材料開発部でも必要となる情報が載っており、且つ、開発本部内で共有することに問題のないデータだったので、アクセスできる方にお願いして何とか入手することができました」(池田氏)
開発本部 R&Dセンター 材料開発部 池田 沙霧 氏
このボトルネックを解消するため、同社では全社員がアクセスできる新サーバーの設置、ならびに部門や拠点ごとの既存サーバーに「共有したほうが良いデータ」を入れるフォルダの設置を実施した。並行して、既存サーバーのフォルダを自動で巡回し、データが存在すれば新サーバーにコピーする仕組みも実装した。新サーバーに集められたデータを検索できるようにすれば、全社員が情報検索できる環境を実現できるという算段だ。
しかし、システムを構築してもデータが集まらなければ意味を成さないため、茶圓氏は全国にある各拠点を訪問して、新システムの説明と共有した方が良いデータの提供依頼を実施した。2022年7月から11月にかけて全ての拠点を回り、2023年2月に集計したところ、約8万件のデータが新サーバーに集まったという。
しかし、システムを構築してもデータが集まらなければ意味を成さないため、茶圓氏は全国にある各拠点を訪問して、新システムの説明と共有した方が良いデータの提供依頼を実施した。2022年7月から11月にかけて全ての拠点を回り、2023年2月に集計したところ、約8万件のデータが新サーバーに集まったという。
拠点ごとの稼働率や平均検索回数などを可視化してKnowledge Explorerの全社展開状況をチェック
論文や技術提案書の作成、問題の早期解決に貢献!
Knowledge Explorerを中心としたライト工業の情報共有システムは、日々の業務をどのように支援しているのだろうか。開発の予算進捗管理や定期報告会の事務局を務める、開発本部 R&Dセンター 開発企画部 担当部長の川添氏は、具体的な効果について次のように述べた。
「過去の社内論文や外部の公開論文など、参考文献を簡単に探せるようになったことで、学会などで発表する資料の作成が楽になりました。また、過去の施工計画書を探せるようになったことで、様々な状況や対策を加味した技術提案書の作成が可能になりました」(川添氏)
「過去の社内論文や外部の公開論文など、参考文献を簡単に探せるようになったことで、学会などで発表する資料の作成が楽になりました。また、過去の施工計画書を探せるようになったことで、様々な状況や対策を加味した技術提案書の作成が可能になりました」(川添氏)
開発本部 R&Dセンター 開発企画部 担当部長 川添 英生 氏
地盤改良や法面保護など新しい工法の開発を担う、開発本部R&Dセンター 技術開発部の木村氏は、現場で発生した問題解決の時間短縮にKnowledge Explorerが貢献したことを教えてくれた。
「現場で問題があったとき、以前はインターネットや書籍など、公知の情報のみを調べて解決していました。独力で解決できない場合は上司や同僚に相談するのですが、解決までに非常に時間を要していました。Knowledge Explorer導入後は、同じ会社で同じような問題にあった方の過去データ、いわば、公知の情報より参考になる情報がすぐ見つかるようになったので、問題解決にかかる時間を短縮することができました」(木村氏)
「現場で問題があったとき、以前はインターネットや書籍など、公知の情報のみを調べて解決していました。独力で解決できない場合は上司や同僚に相談するのですが、解決までに非常に時間を要していました。Knowledge Explorer導入後は、同じ会社で同じような問題にあった方の過去データ、いわば、公知の情報より参考になる情報がすぐ見つかるようになったので、問題解決にかかる時間を短縮することができました」(木村氏)
開発本部 R&Dセンター 技術開発部 木村 太一 氏
データの充実化がシステム利用拡大のポイント
ライト工業では、2022年11月頃から本格的にKnowledge Explorerの運用を開始し、全社員およそ900名のアカウントを登録している。集まったデータの件数、ならびに拠点ごとの利用状況は定期的に集計しており、どちらも着実に増加しているという。最後に、Knowledge Explorerに対する期待を伺ったところ、お二方より次のようなコメントをいただいた。
「全社員の約30%がタブレット(iPad)を利用しています。タブレット端末から検索できるようにしてほしいです」(川添氏)
「よく使われている検索キーワードを可視化してほしいです。キーワードが分かれば、ユーザーの求めている情報がわかり、集めるべきデータの傾向が分かります。データの充実化を図ることができれば、システム利用の活性化につながります」(茶圓氏)
「全社員の約30%がタブレット(iPad)を利用しています。タブレット端末から検索できるようにしてほしいです」(川添氏)
「よく使われている検索キーワードを可視化してほしいです。キーワードが分かれば、ユーザーの求めている情報がわかり、集めるべきデータの傾向が分かります。データの充実化を図ることができれば、システム利用の活性化につながります」(茶圓氏)
(左から)茶圓氏、川添氏、池田氏、木村氏
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