Glossary
用語集

PDCAサイクル

著者:図研プリサイト 門村 北斗

更新:2023/09/05 13:00

PDCA サイクルとは、「Plan(計画)- Do(実行)- Check(確認)- Action(処置・対策)」という4つの段階を循環させ、業務や品質を継続的に改善する活動です。日本の品質管理の父と称されるW・エドワーズ・デミング氏 が来日した際に、PDCAの概念を持ち込んだことが起源と言われています。昨今PDCAは幅広い分野に浸透していますが、元々は統計的品質管理手法として生まれました。狭義では、ISO9001など国際標準化機構(ISO)の定めた要求事項を満たすための枠組みを指します。

PDCAサイクルの流れ

PDCAサイクルの各段階には、それぞれ異なった目的があります。各段階における目的と流れは次の通りです。


  1. Plan(計画)
    計画の立案です。目的を明確にし、目標値を設定して、その目標値を達成するために必要なプロセスを決定します。
  2. Do(実行)
    計画を実行します。重要なのは、計画段階で決めたプロセス通りに実行することです。
  3. Check(確認・評価)
    実行した計画を確認・評価します。 プロセス通りに実行されたかを確認し、設定した目標値に対しての進捗を評価します。
  4. Action(処置・対策)
    評価した結果を受けて、適切に処置・対策を施します。目標に対して未達成だった場合は、プロセス通りに実行したが未達成に終わったのか、そもそもプロセス通りに実施されていなかったのかを解析した上で、どうやって改善するか追求します。

PDCAサイクルとSDCAサイクルの関係

PDCAのP(計画)をS(標準化)に置き換えた言葉として、SDCA(Standard-Do-Check-Action)があります。特に製造業の品質保証や品質管理の業務を維持管理するために活用されます。SDCAサイクルの目的は、標準に従って実施し、実施した結果をチェックし、必要な改善アクションをとることで、日常業務の維持向上 を行うことです。端的に言うと、「良くなった状態を維持する」ための活動です。


品質管理活動において、SDCAサイクルはPDCAサイクルと連動して活動することが推奨されております。


  1. PDCAで目標達成のために改善のサイクルを回す
  2. 改善が終わったら、SDCAサイクルで標準の維持向上するための活動を行う
  3. 新たな環境変化や問題の発生で規定のSDCAサイクルが成り立たなくなった際に、PDCAサイクルに戻る


PDCAサイクルとSDCAサイクルの回し方について
PDCAサイクルとSDCAサイクルの回し方について


特に製造業の品質保証業務においては、継続的改善と維持向上の2つの視点を持つことが重要です。PDCAサイクルを回して改善を行った後、改善した活動に対してSDCAサイクルを回して良いプロセスを維持する。改善と維持の両輪を回していくことで、品質の継続的な改善に繋がります。

参考文献

  • 永原賢造,村上義司.「改訂版 品質保証部」.日本能率協会マネジメントセンター,2010(参照 2023-09-01)