Glossary
用語集
品質保証(英:Quality Assurance、QA)とは、自社の製品・サービスに対する、顧客の安心や満足を確保するための企業活動のことです。一般社団法人日本品質管理学会(JSQC)において、品質保証は次のように定義されています。
品質保証は,顧客・社会のニーズを満たすことを確実にし,確認し,実証するために組織が行う体系的な活動
(1)「確実にする」は、顧客・社会のニーズを把握し、それに合った製品・サービスを企画・設計し、これを提供できるプロセスを確立する活動を指す。
(2)「確認する」は、顧客・社会のニーズが満たされているかどうかを継続的に評価・把握し、満たされていない場合には迅速な応急対策・再発防止対策を取る活動を指す。
(3)「実証する」は、どのようなニーズを満たすのかを顧客・社会との約束として明文化し、それが守られていることを証拠で示し、信頼感・安心感を与える活動を指す。
狭義では、ISO9000シリーズなど、国際標準化機構(ISO)の定めた要求事項を満たしているか検証する作業を指します。
品質とは、自社の製品・サービスに対して、顧客が求める性質や性能のことです。「顧客の満足度」とも言い換えられます。日常的には、機能、使用性、信頼性、経済性など、品質の要素を単に品質と呼ぶことが多いです。
品質は、顧客の求めるものによって内容が変わります。ゲーム機を例に挙げると次の通りです。
携帯性を重視する顧客に、グラフィックスや処理速度が優れているゲーミングPCを提供しても、高い満足度が得られるとは限りません。顧客が何を求めるかによって品質の基準は変わります。
品質保証とは別に、品質を担保する取り組みを指す言葉として「品質管理(英:Quality Control、QC)」があります。JSQCにおいて、品質管理は「顧客・社会のニーズを満たす製品・サービスの品質/質を効果的かつ効率的に達成する活動」と定義されています。
品質保証は顧客視点の活動(できあがった製品が対象)であり、品質管理は作り手視点の活動(これから製造する製品が対象)となります。したがって、簡単に言ってしまうと下図のように、品質管理は製品・サービスが市場に出る前までの活動、品質保証は製品・サービス出荷後も含む活動を指します。
製品ライフサイクルの各フェーズにおける、品質保証業務のよくある課題は次の通りです。
上記の困りごとに対し、多くの企業ではベテランの担当者が属人化したスキルで何とか対応しているのが実情です。属人化からの脱却は、業務の判断基準を定量化、いわばデータ化し、そのデータを判断材料にする、データドリブンな業務遂行になります。
しかしながら、データドリブンな業務への移行は、膨大なデータの整備や、属人化スキルの一般化、標準化などがネックとなり、なかなか進まない企業が多いです。これからの品質保証業務に求められるのは、整備されていないデータをどなたでもすぐに活用できるソリューションとなります。