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2019.02.22 コラム

負けに不思議の負けなし。失敗事例こそ最大のナレッジ!

図研プリサイト 倉本 将光

敏腕マネージャーが異動先の組織を見て一言「ナレッジが共有できていない」とつぶやいた。敏腕マネージャーが見抜いた組織の現状と、そこの立て直し方法とは。

この敏腕マネージャというのは、実は大学のサークルの同期だったNくんなんですけどね。中々のリーダシップがあって、当時から人望を集めていました。まあ、かくいう私もそこそこのマネージャだとは思うのですが、敏腕という形容詞とは無縁です。残念ながらタイプが違うので。

さてそのマネージャーと、この間呑みに行ったのですが、一杯目のビールをグビッと空けた後にこぼした一言が、冒頭の「ナレッジが共有できていない」でした。異動先の職場でメンバー全員と個別面談を行った後に感じたことらしいです。

私も営業マンの端くれなので解っていますが、営業という仕事は、メンバー同士が数字目標を追いかけるライバルであり、かつ部門の数字目標を、共同で担う仲間でもある。

特に法人向け製品を扱っている場合には、商談のポイントを整理して部門でシェアすることが数字目標を効率良く達成する上での近道となるケースが多い。ある事例ができたら「このプロファイルに当てはまるところ、行けるんじゃない?」みたいな感じになります。

話を戻すと、新組織のメンバーに個別にミーティングをしたその友人が強く感じたことは、他のメンバーの活動に対して全く興味を持っていないということだったそうです。メンバー個々の活動はあくまで個々の活動であり、個人商店のあつまった、商店街みたいな感じだったのですかね。

実は、このような状態でも「成功例」は得てして勝手に共有されていくと私は思っています。なぜ売れたのか、どうやって売ったのか、どれぐらいで売れたのかについての情報は、ポジティブなので意図しなくても拡散しやすく、他の営業は、それにあてはまりそうな自分の案件を考えるから。でもネガティブ情報である、失敗例の共有は難しい。マネージャも部門の雰囲気が悪くなるので、あえてシェアしない。

しかし名将野村元監督曰く、「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負け無し」

そう、本当にナレッジとして重要なのは、何故負けたのかという情報を、整理することなんですね。開発だと、何故上手くいかなかったか、マーケティングだとなぜハズしたか。。成功事例は得てして、単なる敵失であっても、美しい理由やストーリーが後付けされます。そこには、マネージャの意図なども入れられて、必ずしも真実の成功理由ではなくなることもありますが、失敗に対してはみな冷淡であり、だからこそ、次への学びとなる事実を探れると、私は思うのです。

結果が出ない事が続くと人間は疲弊してしまう。失敗例が共有できれば「結果的に徒労に終わる活動」を回避することができる。だからこそ上手く共有したいのだが。。

Nくんが新組織で実施しようとしていることは、資料のフォーマットを定めた上で共有すべき「成功例」、「失敗例」を資料として残す事だそう。どの例を資料化するかは最初はNくんが指定して実行させる。

ナレッジ活用のための行動、例えば営業ロスト事例の共有などは、営業の目標達成だけを考えると「やらなくても良い作業」と捉えられがちです。でも、もし他人の作成した資料で自らが恩恵を受けたとしたら、自らも良い資料を残そうという気持ちにもなります。これがナレッジ活用の好循環だと思うのですが、そこに至るまでにはある程度の強制力が必要なのかもしれません。

ガンバレ、営業!ガンバレ、オレ!

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