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コラム

3分でわかる!「PLM」と「PDM」の違い

著者:図研プリサイト 大出洋輝

2021/10/08 09:00

関連キーワード:

  • PLM
  • PDM
  • DX

皆さんこんにちは。図研プリサイトの大出と申します。
私は新卒で入社した先で製造業の品質保証や試作部門を経験しました。その後、中小企業の経営支援やISO認証の審査機関を経て、今ではITシステムによって皆さんを支援する立場から製造業に10年関わってきました。

結論から言えばPLMPDMの違いは、システムの管理の対象とするデータの種類や範囲の違いです。

ITシステムとしての両者の成り立ちを見ると、設計成果物の管理を主眼とするPDMが様々な機能を実装し、後工程におけるデータ管理まで領域を広げた結果PLMとして進化した、という流れがあります。

PLMとは?

PLM(英:Product Lifecycle Management)は製品の企画、設計から生産、販売、廃棄に至るまでのライフサイクル全体における製品情報を一元管理することで、開発期間の短縮、生産の効率化、そして市場の求める製品を適切な時期に市場投入することを目指す経営コンセプトです。


とはいえ、製品の企画から保守終了までの全ての情報を単一のソフトウェアですべて管理することは非常に難しいのが実情です。


したがって本来PLMシステムとは、各部門や各フェーズのデータ管理を担うソフトウェア、それらが持つデータを連携するためのソフトウェア、プロセス全体を把握するのに必要な情報を統合して表示するソフトウェアなど、複数のソフトウェアの集合体で構築されるシステムを指しています。

PLMが扱うデータ

PDMとは?

上記システムの中核を担うのは、製品ライフサイクルにおいて上流部分であるCADデータや部品表などの設計成果物を管理するPDM(英:Product Data Management)と呼ばれるシステムです。PDM1980年代から大手CADベンダーが自社設計システムの成果物を管理する副次的なシステムとして開発に注力してきました。


その後、PDMは変更管理やワークフロー管理といった機能を実装して進化し、2000年代に入ると、生産準備のマスタデータとなるBOM(部品表)の管理や、データ分析に強みを持つ製品などが現れます。この頃から各ベンダーはPDMではなく「PLMシステム」の呼称でシステムの提供を始めました。


昨今「PLMシステム」として提供されている製品は、概ねこの「進化したPDM」のことを指しています。

これからの課題はデータ連携

製品のライフサイクルにおいて扱われる情報は、経営に関する顧客、会計データなどから、製造現場に近い設計や生産に関するデータなど多くの種類が存在します。


従来のPDMシステムにも言えますが、企業には既にそれぞれの領域に特化したシステムが個別に導入されており、それぞれのデータ連携ができていないことが課題となりつつあります。多くの企業では個別システム間のデータ入出力に人の手がかかっており、工数のロスや作業ミスによる手戻りが多く発生しているのです。


DXという言葉が登場して久しいですが、これから大事になるのはシステム同士の連携を推進することで手戻りを減らし、より効率的なエンジニアリングチェーンを構築していくことです。


経済産業省、厚生労働省、文部科学省の3省が作成した『令和2年度ものづくり白書』にも以下のように記載されています。




各業務領域においてはIT ソリューションの活用が進展しつつあるが、各業務領域によって管理されるべき情報が異なるため、領域ごとに様々なIT ソリューションが個別に発達してきた。
DX を効果的に進めるには、それぞれのIT ソリューションが連携し、業務領域間でスムーズなデータ連携が行われることが重要である。

 『令和二年度 ものづくり基盤技術の振興施策』P.85より



それぞれの情報を個別に管理するのではなく、企画、設計、製造、販売・アフターサービスといった製品ライフサイクル全体にわたって技術情報を管理する製品ライフサイクル管理システム(PLM:Product LifecycleManagement) の導入が進められている(図123-7)。このシステムを導入し、情報の統合管理を行うことで、製品開発力の強化や設計作業の効率化などが可能となる。

『令和二年度 ものづくり基盤技術の振興施策』P.87より

 

PLMでデータ連携を

設計データ連携でDXを!

このようにデータ連携こそがDXのカギであり、PDM本来の機能である設計成果物の管理だけでは今日では企業の競争力の源泉足りえません。

 

図研プリサイトのPLMVisual BOM」は、設計の成果物である図面と部品表(BOM)に、CADを持たない部門でも扱うことができる超軽量な3Dデータを加えて管理する特許取得技術を搭載しています。組織の壁、知識の壁、言葉の壁を越えた情報共有とデータ活用を実現する「これから」 のPLMソリューションです。

 

Visual BOM


設計の成果物であるCADファイルから自動で部品表作成する機能や、MBOM作成、ERPとの連携により原価や在庫情報のフィードバックなどデータ連携・活用のための機能も充実。

 

自社に合うシステムを選定する際は、将来のデータ連携も見越して選定を進めるようにしましょう。

PLM導入を検討するにあたって

PLMシステムの導入は企業にとっても大きなプロジェクトになるため、様々な部署や役職者で共有認識を持つことで、スムーズに検討が進むことが多いです。

当サイトではPLMが各部署、役職者向けにどんなメリットがあるのかをまとめた人気資料「PLMってなんのため?」も無料公開しているので、以下よりダウンロードし活用いただければ幸いです。