最後発ブランドのレサワがヒットした理由は!? [マーケティング便りvol.35]
大谷翔平選手が見事満票でア・リーグMVPに輝きました!日本人ではイチロー選手の受賞以来20年ぶり。また満票での選出は史上19人目の快挙とのことです。カラっとしすぎる秋晴れの気候に、乾燥がひどくて憂鬱な午前中の気だるさを一蹴してくれるニュースです。きっと、日本中が一気に潤ったのではないかと思います!素晴らしい!
話は変わりますが、新規感染者数の減少に伴う自粛緩和が進み、夜の街も賑わいを取り戻してきているようです。とは言えリモートワークが定着したことから、今後も家飲みの需要は一定のレベルを保つのではないかと思います。
今回のピックアップ記事は、缶チューハイ市場で「檸檬堂」が取った大胆な戦略についてです。初のアルコール事業参入で後発であるにも関わらず、いまや市場を席捲しているそうです。外資系ならではのシンプルな発想で、鮮やかに既成概念を打ち破った結果で、とても示唆に富むストーリーです。
「コカ・コーラがアルコール製品発売するんだって、レモンサワー!」と、旦那から予告を受けたのをよく覚えています。もともとレモンサワー好きの旦那がやけに楽しそうに話しかけてきました。そして数日後、近所のスーパーで早速「檸檬堂」発見するや否や、迷うことなく9%と表記された「鬼レモン」を購入していました。この記事を読むまでは、コカ・コーラのネームバリューと初のアルコール事業参入というところに、消費者は踊らされているのだろうか。実際、うちの旦那も一言目に口にしたのは「コカ・コーラ」という社名だったし。そんな風に捉えていました。
しかし、スーパーで「檸檬堂」をお初にお目にかかった瞬間をよく思い返してみると、もう戦略にやられていた感がすごいです。
「へー、アルコール度数のバリエーションある、面白い!!」
「9%!鬼レモンだって!鬼だって、買っておこう!!」
普遍的な、いわゆるテッパン市場における斬新さ、という感じでしょうか。まさに新参者、阿部寛がCMキャラクターに抜擢されているのにも納得です。レモンという安定感、間違いないフレーバーに対してバリエーションが展開されていることには素直に驚きました。(個人的には「鬼レモン」のネーミングセンスが何より素晴らしいと思ったりもします。)
レッドオーシャンに飛び込んで見事一定の地位を確立した、という「檸檬堂」の記事を読み、私の頭に浮かんだ製品が2つあります。1つは、バルミューダのスチームオーブントースター。もう一つが、富士フイルムの基礎化粧品「アスタリフト」です。
バルミューダの製品はまさに「シンプル イズ ザ ベスト」が体現されており、多機能な家電製品が市場を席巻する中、非常に目を引く存在として登場した印象です。そして「檸檬堂」が、ほとんどの人がレモンフレーバーを購入している点に忠実だったように、多くの人が「パンを焼く」という基本機能があればまずよし、としている点に、独自のテクノロジーと洗礼されたシンプルなデザインが合致したように思えます。また、今回コカ・コーラはアルコール市場初参戦。バルミューダもそれまでは調理家電の製品開発をしたことがなく、全員が手探りの状態からのスタートだった、というところにも共通点があります。先入観がないと言うのは最強の武器なのではなかろうか、そう感じさせてくれる事案です。
富士フィルムの新事業参入は昨今よくDXの先進事例としても取り上げられており、フィルム事業で培った技術の活用、応用とマーケットが求めるものを照らし合わせ、基礎化粧品事業に歩を進めたことは有名です。祖業とはまったく関係ない大きな事業変革ですので、コカ・コーラのアルコール市場参入よりもハードルもリスクも高かったのではないかと思いますが、きっかけは共通しており「主軸事業だけに頼っていてはいけない」という、先見の明からくる危機感でした。アスタリフトが世に生み出されてから10年以上経ちますが、松田聖子と中島みゆきがお互いの肌のハリを確かめ合うデレビCMの衝撃も相まって、鮮明な印象が私の脳裏に焼き付いています。当時若かった私も、アスタリフトを試してみたい年齢に突入です。それほど、年齢肌市場に浸透している印象を受けます。
データドリブンの威力、シンプルな発想、既存技術を応用した変革力。マーケティング業務に携わる身としてはお灸を据えられた感も受けます。もっと市場ニーズに対して、直球で応えられることがあるはず!同時に鼓舞もされた感覚もあるので、早速できることから実行に移してみたいと思います!
(ちなみに、バルミューダのオーブントースターも我が家にあるのですが、数年前のクリスマスに2,000円くらいのトースターを旦那に懇願したところ、10倍以上の値の品が持ち帰られたときもなかなかに衝撃的でした。毎朝重宝しています。)