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2023.02.28 マーケティング便り

絶対に覚えておきたい!間違えると命を落としかねない緩降機使用のただ1つのポイント!~(訓練で)屋上から飛び降りた話[マーケティング便りvol.57]

図研プリサイト 大出洋輝

皆さんこんにちは。

春一番が吹き荒れた土日を経て少し暖かくなってきたかと思えば、容赦ない冷たい風に身を震わす三寒四温の季節。いかがお過ごしでしょうか。

なんだかそれっぽい書き出しで始めてみましたが、筆者はスギ花粉の猛襲にすっかりやられています。鼻の症状は薬でなんとかなっているのですが、どうやらふと咳込んでしまうのも花粉によるものらしく……。人生も花粉症も初めてなので知らなかったのですが、喉もやられるのですね?

花粉への怨嗟から前置きが長くなりましたが、もうすぐ3月です。
3月と言えば……毎年3/1~7は春の火災予防週間ですね!!

今年のスローガンは「お出かけは マスク戸締まり 火の用心」です。
※曜日によらずこの日程なのは、3/7が消防記念日であることに由来します。秋は11/9~15で、119番の日=11/9から、ということのようです。

 

火災予防週間と言いつつ、今回はそれが際の叶わなかった際の話になってしまうのですが、今日はあなたの命を救うかもしれない「緩降機」についてのお話を。

私が屋上から飛び降り(訓練です)無事だったのも、全てはこの緩降機のおかげ!仕事中に突然「間違えると命を落とす」なんてメールが来ることはめったにないと思うのですが、せっかくここまでご覧いただいたので、もしもの時のために是非読んでいってください。

 

そもそも緩降機とは?

そもそも「緩降機」とはなんぞや?という方も多いことでしょう。緩降機とは省令で「使用者が他人の力を借りずに自重により自動的に連続交互に降下することができる機構を有するもの」とされています。文章だけではイメージ湧かないかと思いますが、見た目はこんな感じです。

見たまんま、滑車に通されたロープの両端にハーネスとリールがついている器具ですが、一番のミソは滑車についている「調速機」と呼ばれるブレーキのような器械。この調速機のおかげで、ハーネスをつけて飛び降りても滑車が回る速度が遅くなり、「緩」やかに「降」下できる、という仕組みです。避難はしごや、避難用スロープと同様に避難器具の1種ですが、たまにこの緩降機が設置されている建物もあるので、今後見かけたら「おっ」と思ってやってください。

 

さて、ではこの緩降機を使う上で「唯一絶対の、覚えておかなければならないポイント」とはなんでしょうか?当然、緩降機を固定するフックはしっかり引っかけるなど、誰でも想像がつくものは除くとしてです。

 

というわけでタイトルの答え合わせですが、絶対に覚えておいていただきたいポイントは

「使用時は先にリールを投げ落としておくこと」

です。

実際に消防隊員の方にはここを重点的に説明いただきました。緩降機のフックをかけて、ハーネスを巻いたら飛び降りたくなるのが人情じゃないですか。緩降機は火災の際に逃げ遅れ、やむを得ず上層階に避難した際に使う器具なのでなおさらです。

 

しかし、ハーネスを装着したら、飛び降りたくなる気持ちをグッと抑えて、まずはリールを投げ落とす。これをやらずに降下してしまうと調速機が正常に動作せず、地面に激突しかねないとのこと。なかなか直感でわかりづらい部分かと思いますので、これだけ覚えておけば命が助かる可能性が上がります。いやぁ、これで人様の命を救えたのかもしれないのだから、良いコラムを書いたものです。

「じゃあ、飛び降りてみましょう」

そんなことがあったのは、図研プリサイトに入社する前、今から5年くらい前でしょうか。

ここからは蛇足ですが、屋上から緩降機で飛び降りた思い出も綴っておきます。こんな感じで使うんだな、というイメージ喚起の一助になれば幸いです。

 

当時の職場では毎年消防隊の方に来ていただいて避難訓練を行っていたのですが(珍しいと思います)、その年は「緩降機の使用訓練」をするとのこと。希望者のみの実施だったのですが、当時の私はふと考えました。
ここで飛び降りなきゃ、一生屋上から飛び降りる機会などないのでは?

 

そうして迎えた訓練当日、消防隊員の方が先にお手本を見せてくれます。緩降機のフックを屋上に設置された設置用の輪っか(なんだろうこのポールと輪っかは?と思っていたのがそれでした)にかけ、鮮やかな手際でハーネスを装着すると、リールを事前に投げ落とし、その後自らも降下していきます。
飛び降りると言ってもバンジージャンプではないので、屋上のヘリに手をかけて覚悟ができたら手を放す、といった具合です。

 

そこで「じゃあ、飛び降りてみましょう」の場面に戻るのですが、たとえハーネスをつけていても、たとえ高さは3階相当だったとしても、屋上の柵の外に立つのはかなり緊張します。何せ私は1,300t大型射出成型機うごめく現場でKY(危険予知)が沁みついた男。バンジージャンプはおろか、道端のマンホールさえ不用意に踏むことを避け、人間を雑に扱うことに長けた絶叫マシーンの類は断固乗車を拒否する,不安全行動には人一倍うるさい人間なのです。

眼下には砂利の敷かれた駐車場。もちろん避難器具は検定もしっかりしていますし、メーカーの品質も信頼しています。そして先人は無事に降りていったという希望がある一方で、どうしても頭をよぎるスイスチーズモデル。そんな微かな不安を抱きつつ屋上のヘリに手をかけぶら下がります。それにしても、サスペンスか、栄養ドリンクのCMでしか見ない斯様な状況に自分が置かれることになろうとは。

「はーい、OKです。降りてきてください」

消防隊員の方の声を合図に、手を離したそのときです。

 

「あ!ちょっと待って!待ってください!!」

 

人生で最も恐怖を感じた瞬間はいつですか?と聞かれたら、堂々のNo.1は、この瞬間です。

 

でもこのときはヘリを掴みなおしたんですよね。傍から見れば、みっともなくジタバタしたと思うのですが、命には代えられません。あのときの私は生への執着で輝いていたと思います。結果、どう考えても物理法則に反しているのですがヘリを掴みなおすことができました。空も飛べるはず、と往年のヒット曲も言っていましたね。

 

ちなみにその後は、結局ハーネスが正常に装着できていることが確認され、すぐに「あ、大丈夫でしたー」という声がかかり、茫然自失で降りたのでした。降下自体はまさに緩やかとしか言いようがなく恐怖を感じるものではなかったですが、もはやそんなことはどうでも良い気分だったのを覚えています。

 

というわけで個人的には一生忘れられない体験になったのですが、

皆さんに覚えて帰っていただきたいのは、緩降機を使用する際は「先にリールを投げ落とす」という1点のみ

です。そしてまず何よりも、自宅でも職場でも火の用心を。そもそも緩降機は使う機会がないに越したことはない代物ですが、もしものときはこのコラムを思い出してください。

それではまた次回お会いしましょう!

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