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2024.03.29 マーケティング便り

日本語ではダメなのか?カタカナビジネス用語を訳してみた

図研プリサイト 岡本優

皆様こんにちは!図研プリサイトの岡本です。
つい先日年が明けたかと思いきや、あっという間にもう4月になりますね。

きっとこの記事を読まれている方の中にも石川県にお住まいの方や、
家族や親戚、友人が石川県にお住まいである方もいらっしゃるのではないかと思います。

私は石川県には友人がいないのですが熊本在住の友人はおり、熊本地震の際は大変な思いをしていたようでした。

その友人は
「変に気遣われて地震の話題を振られたり、逆に回避されたりすると余計に疎外感のようなものを抱いてしまうので、
 SNSでもごくごくいつも通りに振舞ったり好きな投稿をしてほしい、みんなの日常を見られた方が安心する」
と言っておりましたが、この辺りの感覚もきっと人それぞれなのだろうなと思いつつ、
少しでも今回の記事が息抜きになればと思い筆を執っております。

被害に遭われた方々の心の平穏が1日でも早く訪れるよう心から祈っております。

タイトルについて

1月に大出が執筆いたしました「明日から使える「おじさんビジネス用語」!個人的イチオシ3選!!」という記事を読み、
おじさんビジネス用語に対義語(?)はあるのか?と考えてみたところ、主にIT業界やコンサル業界などイケイケっぽい企業でよく使われているカタカナビジネス用語がこれに該当するのでは?と思い至りました。
(おばちゃんビジネス用語もあるのか?)

私は元々サービス業出身の人間で、大学も文系だったため簡単なカタカナビジネス用語すらも知りませんでした。
そのため初めて「今月〇〇さんがうちの会社にジョインしました!△△プロジェクトにアサインされますので、チーム一丸となってコミットしていき……まずはアイスブレイクから……その後ブレストで…」といった紹介を見た時は「パルスのファルシのルシがパージでコクーン…ってこと?」(※)と頭を抱えたものでした。
(※FF13のネタです)

ほかにも今や聞き馴染みのある「エビデンス」「アジェンダ」「タスク」「リソース」「フィックス」等も当時は「なに…?」となっており、サービス業界からIT業界という毛色が全く違う業界へ転職をしたばかりの当時の自分にとってはIT知識やNW知識を身に付けるのが精一杯だったのですが、それに加えて先輩やマネージャの話に出てくる未知の言語も勉強する羽目になったものでした。

今でこそ勉強の甲斐あってカタカナで話しかけられてもほとんど意味は分かりますが、ビジネス系Webセミナー等を観ていると稀にカタカナを使いすぎて逆に何も伝わらなくなっている方が登壇されていることもあります。

いっそこれらを全て日本語訳したらどうなるのか?何か弊害は生まれるのか?と気になってしまい、
例文を作って日本語に訳してみることにしました。

結果、カタカナ語を使う理由、ついにその真実にたどり着けたかもしれません。
というわけで私の思索の跡を辿るコラムをお送りします!

紹介や挨拶、今後の進め方など

皆様の会社では、誰かが入社された際にはどのような紹介をされますか?

弊社では「ジョイン」と表現しており、IT企業なら一般的な言い方なのだそうです。
(今までそういう言い方をする企業にいなかったため、「すごくIT企業だ…!」と感じました)

例)「今月〇〇さんがうちの会社にジョインしました!
   △△のプロジェクトにアサインされますので、チーム一丸となってコミットしていき……
   まずはアイスブレイクから……その後ブレストで…」

さっそくいま適当に考えてみた例文を訳してみようと思います。
若干やりすぎな気もしますが、何事もやって後悔したいと思っています。

訳)「今月〇〇さんがうちの会社に入社されました!
   △△の案件に任命されますので、チーム一丸となって積極的に取り組んでいきましょう。
   まずは自己紹介や会話をし…その後意見交換で…」

何にも困らないどころか私はこちらの方が分かりやすいなと思ってしまいます。
強いて言えば「アイスブレイク」は手法が多岐にわたるので、
総称する意味でも英語のままの方が便利かもしれない…くらいでしょうか。

同じことを言うのでも、確かにその言葉なら英語のほうが便利だなといった場もあれば、
それ英語にする必要あった?という場合もありますので、TPOや相手を見極めて言葉を選びたいですね。

(少なくとも私は分からない単語に出くわすと「?」と一瞬思考が止まるので、
その後に続く説明などを少しばかり聞き逃すことがあります。文脈で分かることもあるのですが…。)

仕事上における目標など

「弊社の営業におけるKPIは〇〇です。またプロジェクトごとにマイルストーンを設けており、
  オンスケで進められているのか、リソースは足りているか、
  却下された時の為にオルタナティブなプランを用意すべきかなど適宜判断します。」

営業会議でこれに近しいやりとりを耳にしたことはありませんか?

カタカナどころかアルファベットも登場させてしまいました。
余談ですが一般的なIT業界で使う用語と、コンサル業界で使う用語は、
コンサル業界の方が同じカタカナ仲間であってもより複雑で種類が豊富ですよね。
やはり外資系企業がの文化が強いとそうなるのでしょうか?

使いこなせたら格好良いですが、
私のように英語が苦手な人種が使おうと思うとルー語でしかなくなるところに切なさを感じます。

寄り道はここまでにし、訳してみます。

訳)「弊社の営業における中間目標は〇〇です。
   また案件ごとに区切りや目安を設けており、予定通りに進められているのか、
   人員や資金は足りているか、却下された時の為に代替案を用意すべきかなど適宜判断します。」

…こちらの方が良くないですか?(私だけでしょうか)

ここまで書いていて思ったのですが、1つの単語で複数の意味を表したい時は英語のほうが向いているのかもしれません。

確かに「アイスブレイク」や「リソース」など、1つの単語で複数のニュアンスを伝えたい時はよりしっくりくる感覚はあります。
特にリソースの場合だと人員、資金のほかに資料や物資(例えばサンプル等)も指すので、
そういう時は一語にまとめられて便利だなと感じました。

商談や業務内容など

最後になります。

自分で作っておきながら「これ本当にこんなの使っている人いる?」という気分になってきましたが、最後までやり遂げたいと思います。

私は星座占いで万年最下位すぎて稀に1位を獲得するだけでX(旧:Twitter)のトレンド入りを果たしてしまうかに座ですが、
「与えられた仕事は責任感を持って最後まで必ずやり遂げます」と書いてくれているサイトを見つけました。

誰しもがそうでは?とは思いつつも、かに座だからこれもやり遂げられるなと思っています。

「この商談は君にとって絶好のオポチュニティだ。ASAPで頼む。
  僕もバックアップするから、次回の商談は君がイニシアチブを握って進行してみて。
  うちの会社は優れたコアコンピタンスを持っているから、そこを軸にしてコンペティターに打ち勝とう!
  あ、ちなみに商談当日は終わりが16時頃になるからNRで良いよ」

もうやりたい放題です。本当にいますか?こんなこと言う人。

「この商談は君にとって絶好のチャンスだ。なるはやで頼む。
  僕も支援するから、次回の商談は君が先導して進行してみて。
  うちの会社は他社にはない優れた強みがあるから、そこを軸にして競合他社に打ち勝とう!
  あ、ちなみに商談当日は終わりが16時頃になるから直帰で良いよ。」

私の友達の竹内という子のあだ名がタケウチュニティだったのですが、
竹内チャンスってことだったのでしょうか?もっと日常で使いたい響きですね、オポチュニティ。

おわりに

そりゃあんな無理矢理に盛り込んだカタカナビジネス用語文であれば、日本語で良くない?となるのは当然だと思います。
何事もやりすぎは良くないというのを肌で感じました。かに座は反省しています。

そもそも何故日本のビジネスシーンに英語が入るようになったのでしょうか?
先日よく弊社のコラムを読んでくださる方に教えて頂いたMicrosoft社製の「COPILOT」というAIに質問してみました。

質問:
何故日本のビジネスシーンでカタカナ用語を使うのですか?

回答:
カタカナ用語が日本のビジネスシーンで頻繁に使われる理由はいくつかあります。
まず、カタカナ語とは、カタカナで表記される言葉のことを指します。
これらの語彙は日常会話からビジネスシーンに至るまで幅広く使用されています。

1.外来語のアレンジ:
多くのカタカナ語は、英語などの外国語をアレンジして作られた「和製英語」です。
そのため、聞きなじみのある言葉も多く含まれています。

2.日本語への変換の難しさ:
ビジネスシーンで使用されるカタカナ語の中には、日本語で正確に言い表すのが難しいものも多くあります。
例えば、「コアタイム」はフレックスタイム制において、従業員全員が必ず出勤していなければならない時間帯を指します。
しかし、これを日本語に訳すと「核心の時間」となってしまい、意味が通りません。
そのため、コアタイムはコアタイムと表現するしかないのです。

3.専門用語としての活用:
ビジネスシーンでは、専門用語として使われるカタカナ語があります。
これらの語彙を覚えておくことで、会話をスムーズに進められることがあります。

英語⇒日本語への変換の難しさ!確かにこれは納得です。

きっとこの逆も同じことが言え、日本語⇒英語もドンピシャな表現はなかなか見当たらないことがままあるのでしょうね。

私は「黄昏」や「夜の帳」「木漏れ日」のような日本語でしか表現できない詩的な言葉にとても風情や魅力を感じ、
こういう名前を付け難い現象や時間帯に名付けるのがすごく得意な言語なんだなぁと誇らしく思っております。
(「よろしくお願いします」は英語に存在しないというのを知ったときは驚きでした。)

※先日知ったのですが「宜しく」は当て字、「致します」は意味が違ってくるので
「よろしくお願いいたします。」が正しい日本語なのだそうです!

しかし「この言語でしか表現できない」「日本語でピッタリ当てはまるものがない」といったものは英語にも同じようにたくさん存在していると思うので、こういった背景からカタカナビジネス用語が誕生し流行していったのだろうなと思います。

引用はいたしませんが、あるコンサルの方が書いている記事に
「社内ではカタカナビジネス用語が飛び交っており、癖でクライアントに使うと伝わらなくて顰蹙を買うので気を付けていたつもりだったが(中略)とはいえコンサル業界は外資ファームが強く、グローバルなメンバーと協業することが多数ある。フレームワークも海外のものを用いることも多く、グローバルのベストプラクティス等を取り上げることもあるため…」
と記載がありました。

もう骨の髄まで染みついているとはまさにこのこと…!
その点トッポってすごいよな、最後までチョコたっぷりだもんというフレーズが頭をよぎりました。

きっと意識せずとも日本語が脳内で英語に変換されて出力されるイメージなのだと思います。
それだけ勉強熱心で自分の業界の風潮に対して真摯なのでしょうね。
弊社社長も「新しく覚えたことはすぐに使いたくなる」と言っておりました。
インプットしたらすぐにアウトプットしてみるのは何事においても一番良い練習法ですよね。

無意識なだけで、私たちも日々自然と使っている単語を思い返すと、意外と英語が多いのではないでしょうか?
(この記事内でも相当数の英語が混ざっています)

とはいえこの方自身も仰っておりましたが、あまり乱用すると若干コミュニケーションが難しくなる可能性もありそうなので「これは英語の方がしっくりくる!」という場合のみに留めておいた方が、双方丁度良いのかもしれません。

同じ言語でも文化や芸能としての言葉とコミュニケーションのための言葉で大きく姿が変わるので、
日頃なんとなく使っている言葉について調べるのはとても興味深かったです。

そういえばふと思い返してみると、私が普段友達とボイスチャットをしながら遊んでいるFPS(First-Person Shooter:シューティングゲームの一種)でも「〇〇(キャラ名)青60カット割りかけ!隣の〇〇もアーマー割って肉ダメ75入れてて激ロー、正面右の遮蔽裏に引いてるみたいだからアビ欲しい!ウルト今95%だから溜まったら即撃ちしてグレ投げながら詰めるね」等と、そのゲームをしない人にはもはや何を言っているか分からない報告をし合っています。

面白いのが、ジャンルが同じゲームでも使う用語が違うので、別のゲームになるとまるで何を言っているか分からなくなるのです。
同じFPSというゲームをしているのにも関わらず分かり合えないのです。
このゲームではAのことを〇〇と呼んでいるけど、こっちのゲームではAのことを△△と呼んでいるのねという確認作業が必要になります。

だからこそ人と会話するときは相手と同じ言語や共通認識を共有しているか?はとても大事なのですね。

カタカナビジネス用語、とっても大事なことを再認識させてくれた気がします!
その業界特有の言葉は単純に文化として興味深いので、色々調べてみるのも楽しそうだなと感じました。

いつにも増して長文になりましたが、ここまでお読みくださりありがとうございました!
次回もどうぞよろしくお願いいたします。

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