仕事でもプライベートでも使える!アンガーマネジメントのススメ
こんにちは!図研プリサイトの岡本です。
もうすっかり夏真っ盛りですね。家の近所ではアブラゼミやニイニイゼミが鳴いていますが、関西はクマゼミが圧倒的に多いと聞きます。
地域性があるのは面白いですよね。
子どもの頃「ぼくのなつやすみ」というゲームにドハマりしており、その影響で夏はミンミンゼミやヒグラシが鳴いているイメージがありましたが、たまたま近所に生息していないようでミンミンゼミとヒグラシの鳴き声を聞くことはほとんど出来ず(分布的には全国各地にいるそうです)、セミ自体は非常に苦手なものの鳴き声に対しては憧れがあったりします。
皆様の地域はどんなセミが鳴いていますか?
はじめに
以前「人間関係に使える?心理学のアレコレ」というシリーズコラムを書かせて頂きました。
実はこのシリーズはとても反響がありまして、メールで感想などのご返信をいくつか頂けて嬉しかったです。
そのため実はこういった日常生活においても使えそうな心理学やメンタルトレーニングといった部分は需要があり、興味をお持ちの方が多いのかな?と思ったため、今回はいま流行りのアンガーマネジメントについて簡単に触れてみたいと思います。
といっても心理学のコラムと同様、私は勉強中の素人で資格を持っていたりする人間ではございませんので、あくまで「アンガーマネジメントを勉強している人間のアウトプットに付き合ってやろう」というくらいの感覚で読んで頂けると嬉しいです。
ご興味がある方はぜひこちらもどうぞ!
・人間関係に使える?心理学のアレコレ:第一弾
・人間関係に使える?心理学のアレコレ:第二弾
アンガーマネジメントについて
そもそもアンガーマネジメントとは何なのか?
アンガー(怒り)をマネジメントするというくらいだから、怒ってはいけないってこと?と思うかもしれません。
が、実はそうではありません。
アンガーマネジメントとは「怒らない訓練をすること」ではなく、「建設的な方法で怒りを表現すること」なのです。
なぜこのトレーニングが必要かというと、人間の持つ代表的な感情である「喜怒哀楽」の中で「怒り」は人生を壊す可能性のある唯一の感情だからです。
アンガーマネジメントを勉強し始めたのも、怒りのせいで後悔をしたくないなと思ったことがきっかけです。
今もまだ未熟ですが、もっと若かったころ怒りに任せて咄嗟に発した言葉や行動で、人間関係や信頼関係に傷を付けてしまったことが私もあります。そしてその逆もあります。
(実は「怒り」というのは、身近な人間であるほど強くなる傾向があるとされています)
では建設的な方法とは?
皆様はパッと思い浮かびますか?
怒りの伝え方
怒りを建設的に表現するには大きく3つのポイントがあります。
1.怒りと適切に向き合って、コントロール下に置くこと(自身が「怒っている」と自覚すること)
2.感情をぶつけるのではなく、リクエストを伝えること
3.相手を打ち負かすことを目標にしないこと
1と2は関連性があるのですが、「(あぁ自分いま怒っているかも…何で怒ってるんだ?目の前の人の言い方が嫌だったんだな、でも言っていることは正しいと思うから、言い方をもう少し優しくして欲しいな)」など自覚をすることが第一歩です。
1ができると2がスムーズにできるのですが、1ができていないのに2はできません。
「(理由は分からんけどなんか腹立つ…)」という部分までしか自覚ができないためです。
理由が分からないと、どう改善してもらえれば良いのかも分からないはずです。
3は最も大事な意識で、「相手に勝つ」「負かしたい」「論破したい」といった気持ちがあると自分の感情をぶつけることだけが目的となってしまい、建設的な話し合いは出来なくなります。
例えば遅刻癖のある友達が今回も遅刻してくるというシーンで突然「お前いつも遅えんだよ!!」と言ってみたらどうなるでしょうか?
そう言いたくなる気持ち自体はとてもよく分かります。自分はちゃんと間に合うように早めに起きて準備して…と頑張っているのに、相手はそれを放棄しているので、場合によっては自分のことを軽視されているように感じるかもしれません。
ただ「毎回遅刻されるのは嫌だ」という気持ちを相手に初めて伝えるとき、怒り100%の感情をぶつけるのではなくまずは「毎回遅刻されると悲しくなったり嫌な気持ちになったりしてしまう、予定に間に合うのかも不安になる」ということを伝え、「5分前とは言わずとも約束の時間にはいてほしい」とリクエストをしてみましょう。
(なぜこんなことを自分が言わねばならんのだという気持ちになるのは当然ですが)
そのうえで遅刻がどうしても直せないのであれば「どのくらい遅れるのか事前に教えてくれるようにお願いする」など、一度は建設的な提案をしてみることが大切です。
約束をするのをもうやめる、距離を置くといった対応をするのはそれからでも遅くありません。
余談ですが筆者が昔仲良かった友人はいつも30分程度遅刻してくるので、試しにわざと自分も遅刻してみたところ、その日に限って10分前に着いていて普通にスタバを奢りました。
やられたらやり返すような行動をするのではなく、素直に「イヤダ」と伝えるのが大人だな…と反省したのを覚えています。
怒りのコントロールトレーニング
怒るとカロリーを消費する感覚は誰しもしんどいはずです。
ここでは怒りをコントロールするコツを2つお伝えします。
1.ゆっくり6秒カウントする
2.グラウンディング
ゆっくり6秒カウントする
まず1の「ゆっくり6秒カウントする」について。
イラッとしたとき、反射的な言葉や行動で怒りを表現してしまうことは誰しもあります。
ただこの反射的な表現、実は相手だけではなく自分もヒートアップしてしまうことが分かっており、更に余計な言葉や行動を畳みかけてしまう可能性が高まります。
その結果「(何もここまで傷付けたかった訳では…)」という結果に繋がってしまうことも。
こういった時に有効なのが、喉元まで出かかった言葉を何とか止め、6秒カウントすることです。
頭の中でもいいですし、口に出してカウントしても構いません。
最初は本当に難しいと思いますが、人間の理性は怒りが生まれた6秒後に働くと言われており、そのためこのトレーニングが推奨されています。
数える以外にも「深呼吸をする」「思考停止して無になる」なども有効とされています。
グラウンディング
次に2の「グラウンディング」について。
グラウンディングというのは初めて聞いたかもしれません。
これは「怒りとは関係のないところに意識を向けることで、怒りから目を逸らすこと」です。
怒りの伝え方の部分で「自分の怒りと向き合う」と書きましたが、これは「向き合ったうえで意識的に目を逸らす」という技法です。
何かスポーツをされていた方であればグラウンド(地面)は毎日立っていたと思います。
そこが由来となっており、意識を地面(いま目の前にあるもの)に釘付けにすることからグラウンディングと言われています。
グラウンディングのやり方としては、イラッとした時に目の前にあるペンなどを見て「赤色と黒色があるな」「油性じゃなくて水性なんだな」と、まるで関係のない観察をすることがオススメの方法です。
怒りは未来や過去が絡んでくると膨張しやすいとされているため、あえて「いま」のことだけを考えることでこれを防ぐ効果があります。
以上2つを簡単にご紹介させて頂きましたが、いかがでしょうか?
これを知らずに実行されている方も中にはいらっしゃるかもしれません。
そうは言ってもやはり人間は自分の体調や状況、積み重なったストレス、天候や気温や湿度など様々なものに影響を受けます。
いつも許せることが今日はダメだった、なんてことはザラにあります。
しかも小さなお子さんを育てている世代の方だと、毎日毎日怒ってばかりだということもあるのではないでしょうか?
(実は怒ってしまった後に罪悪感を抱きやすいのは日本人に圧倒的に多いのだそうです)
なので「いつもは怒らないことで怒ってしまった…ああ…」となったとしても
それは自分が悪いのではなく、むしろいつも許せていた自分を褒めてあげて欲しいです!
一次感情と二次感情
最後になります。
人が何らかの感情を抱くのには理由があります。
それは決して怒りにおいての話に限ったことではありません。
喜怒哀楽というのは二次感情であり、二次感情が発生する原因や理由が一次感情にあります。
ひとくちに「怒り」といっても、怒りの原因は本当に人それぞれ。シチュエーション等によっても変わってきます。
「どうしてこの心配を分かってくれないのかという不安」から怒る場合もあれば、バカにされた等の理由で「自尊心が傷付けられたから」怒る場合もあります。
この一次感情で心が一杯になると喜怒哀楽が他人から見ても分かる表面に出てきます。
喜や楽であれば何も対処しなくても良いのですが、これが怒や哀だった場合は一次感情の対処をしなくては二次感情が収まることはありません。
ぜひ、腹が立った時こそ一度深呼吸をし、自分自身と向き合い、自分はどうして怒ったのだろうか?どうして悲しかったのだろうか?と問いかける練習をしてみてください。意外と人は自分のことって案外分からないものです。
またこれは自分の話だけではなく他人にも当てはまります。
例えば仕事でクレームをもらった際「(修理対応は迅速に完了しているのに)どうしてこのお客様は未だこんなに怒っているのだろうか?」と不思議に思っていたところ、話を聞いてみるとどうやら製品が壊れたことが一番の問題ではなく、製品が壊れたことによってその人の仕事が円滑に進まず上司から怒られ自尊心が傷付いていたことが激怒の原因だった…ということも。
その場合は謝罪の仕方を「故障により業務にご迷惑をおかけし…」ではなく「故障により〇〇様のお仕事に多大な支障が出たかと存じます。故障だけでなく、嫌な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。」と、その人の心に寄り添うスタンスでお伝えしてみるのも一つ手かもしれません。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
何か一つでも参考になるような内容があれば幸いです。
最近は猛暑だけではなく突然の雷雨など天候が安定しないので、もうすぐ夏休みもやってまいりますが、お出掛けの際は気を付けつつ、ぜひ楽しい夏をお過ごしください!
ここまでお読みいただきありがとうございました。